一般に自閉症の人々は、他の人々と交流したり共感し合ったりするのを苦手とすると言われている。しかし
仮想の世界では自閉症アバターはお互いに悲しみや喜びを共感しあい、悩みを語りあい支え合っていた。私はこうした仮想空間での自助グループの会合に100回以上出席し、またさまざまな自閉症アバターたちにお話をうかがった。
仮想空間での自閉症当事者のアバターたちの語りは、私にとっては一つひとつ不思議の国の扉を開けるような驚きに満ちた経験であり、その度に自分がいかに固定的な視点から世界を見ていたかを思い知らされた。